1. HOME
  2. 売買ノウハウ
  3. 住宅ローン控除とは?~失敗しない為にわかりやすく説明~
売買ノウハウ
住宅ローン控除について

住宅ローン控除とは?~失敗しない為にわかりやすく説明~

言葉を聞いた事はあっても正しく理解している人は意外と少ない?
今さら人に聞けない”住宅ローン控除 ” について分かりやすく説明致します。

「住宅借入金等特別控除」通称:住宅ローン控除

住宅を買うと少し減税されるやつだっけ?と、なんとなく知っていますという方が少なくないと思います。
住宅ローンについて知人に自信持って説明できるくらいわかりやすく紹介します。

住宅ローン控除の説明の前に

住宅ローンとは

まず最初に住宅ローンについてそこまで理解していない方の為に軽く説明します。

住宅ローンとは住宅を購入する際に銀行からお金を借りて住宅を購入し、購入後に長期間(基本35年)に渡って既定の金利を乗せて銀行に毎月返済していく仕組みになります。

減税される税は何か?

住宅ローン控除で減税される税は、所得税です。
所得税とは、お仕事されている方、アルバイトされている方、すなわちお金を貰っている方が納めないといけない税金の事です。 

所得税は仕事してお金を貰っている方だけではなく、不動産所有していたり株式配当等でお金を貰っている方も対象です。(所得税には複数種類ある)

簡潔にまとめるとお金を貰うことに税金がかかるという事です。
後ほどの住宅ローン控除に関わってきますのでわからない方は飛ばさず読んでください。

所得税は、所得が高くなればなるほど税率も高くなると言う制度があります。
それを、累進課税制度と言います。

税金を納めなくも良い所得額

給与所得だけの場合は、年間103万円までは所得税がかかりません
公的年金だけの場合は、年間108万円まで(年齢65歳未満)
           年間158万円まで(年齢65歳以上)所得税がかかりません

所得税を納める場合の計算方法

所得税の速算表
(東京税理士会より引用)

計算方法

求める金額=(課税所得)×(税率)-(控除額)

で算出することが可能です。
あなたのあてはまる項目で計算してみましょう。

住宅ローン控除とは

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)とは、ある条件を満たした新築戸建や中古の住宅を購入した際や住宅を改装した場合に、一定期間の間、住宅ローン残高に応じた金額が所得税が差し引かれ、還付される制度です。

まずは、先程書いた「ある条件を満たした新築戸建や中古の住宅を購入した・・・」の条件に当てはまっているのか確かめていきましょう。

新築戸建の適用条件

  • 借入した人の合計所得税金額が、3,000万円以下である事。
  • 新築または取得日から6ヶ月以内に入居している事。
  • ローンの返済期間が10年以上あること
  • 登記簿に記載されている床面積が50平米以上あること
  • 床面積の1/2以上が自分の居住用であること

中古住宅の適用条件

  • 新築条件の適用条件のほかに下記の条件を満たす事
  • 建築後使用されたもであること
  • マンションなど耐火建築物は、取得の時点で築25年以内であること
  • 耐火建築物以外は取得の時点で築20年以内であること、または一定の耐震基準をクリアしている事
  • 生計を一にする親族などからの購入ではないこと
  • 贈与された住宅でないこと
  • 以下の内いずれか、一定の耐震基準を満たしているもの
  1. 住宅性能評価書を取得している
  2. 既存住宅売買瑕疵担保保険の加入をしている
  3. 耐震基準適合証明書の取得をしている

住宅改装・リフォーム・増築の適用条件

  • 工事費用が100万円以上で、その2/1以上が居住用部分の工事費用であること
  • 自分が所有し、居住する住宅のリフォームであること
  • 新築住宅の適用条件のほかに下記の条件を満たす事
  • 一定のリフォーム、バリアフリーリフォーム、耐震リフォーム、または大規模な間取り変更や修繕などであること

以上が新築戸建、中古住宅、リフォームの住宅ローン控除の適用条件です。

上記の条件を全て満たしていないと住宅ローン控除が適用されません。

条件が多いから適用されるの難しいと思った方がいると思いますが安心してください

冷静に考えると一つ一つの項目の難易度は低いです。

適用されない例としては、セカンドハウス購入の際や特徴的な借入をしているなど高額納税者等が対象です。

所得税金額が3000万円納税するって事は、概算で年収8,000万円となります。

住宅ローン控除額の計算

住宅ローン控除の適用条件にはクリアしたけどいったいどのくらい減税されるのか?

住宅ローン控除額

住宅ローン控除額は年末におけるローン残高の1%です

残念ながら1%は控除額の最大額で最大額を控除できる人は多くはありません。
そして各年の上限額が40万円(認定住宅の場合は50万円)となっています。
では、実際に控除額の計算をしてみましょう。

控除額シミュレーション

<計算条件>
年末年始のローン残高:3,000万円
税込年収:400万円
所得税額:10万円
住民税:14万円

最大控除額は年末時点のローン残高の1%

3,000万円×0.01=30万円

まずは、所得税から住宅ローン控除額を引きます。

所得税額(10万円)―住宅ローン控除(30万円)=―20万円(住宅ローン控除残額)

現在20万円の控除が余っている状況になります。
控除しきれていないからもったいないと思った方ご安心下さい。

所得税から控除しきれない額は住民税から控除します

所得税から控除しきれない分を住民税で控除する場合は、所得税の課税総所得金額(全ての所得)等の額の7%、または13万6500円が上限になります。

今回は、400万円×0.07=28万円

なので13万6500円の方が額が小さくなるため、最大控除額13万6500円が適用されます。

これで住宅ローン控除額である30万円のうち、23万6500円の控除ができました。

では、残りの控除額は、どうなるのか

残念ながら残りの控除額は、他の税にあてたり来年に持ち越す事ができません。
はじめにお伝えした通り住宅ローン控除の最大控除額を適用される方は少ないという事がおわかりいただけたでしょうか。

逆に考えると所得税は一切払わなくても良くなりますし、住民税も大幅に軽減されますので、とてもお得感がありますのよね。

“住宅ローン控除”をお得に活用するには?

下のグラフを使って説明します。

①が年収(所得税、住民税)です
②が最大控除額です。(40万円)
③が残高ローンです。

住宅ローン減税の控除額イメージ図

まず右肩上がりの①

一般的には、年功序列で毎年毎年、年収が上がると思います。
年収があがると必然的に所得税、住民税を納める金額が上がりますよね。
納税額が上がれば1年の最大控除額が上がります。

②は平行線で最大控除額は変わることはありません。

③は住宅ローンの借入残高です。
住宅ローンの残高の1%が控除額に当たるので4000万円以上の借入がないと最大控除額が受けることができません。
住宅ローン控除額だけをうまく活用するには、年収が高い時期に高い借入をする必要があります。

この知識を活かしてあなたが物件を買う際の一つの判断基準していただけたらと思います。

“住宅ローン控除”還付金の返還

住宅ローン控除額がわかったけどいつどのように還付金が返ってくるのでしょうか。

還付金は、申告の手続きから約一ヶ月~一ヶ月半程度で、申告の際に記入する預貯金口座に振り込まれます。

↓緑色の部分が払う住民税 ↓黄色の部分が払う所得税 ↓空白の部分が控除される部分(控除額)

住宅ローン控除のイメージ図

住宅ローン控除の手続き

住宅ローン控除は理解したけど、どこにどう申請すればいいの?

それでは、住宅ローン控除を受ける為の手続きのご紹介をします。

住宅ローンを利用する場合は、会社員の方々でも確定申告をしなければいけません。
確定申告とは、支払いをしなければいけない所得税をいくらになるのかと申告することです。
確定申告した際に、所得税の申告納税だけではなく、納めた所得税を還付してもらうための還付申告もできるのです。
還付申告は、納める予定の額より税を支払った場合に支払いすぎた税金分がもどってくる申告です。
住宅ローン控除の手続きは確定申告がセットとなっています。

確定申告作成については下記の国税庁のサイトがめちゃくちゃ分かりやすいのでおすすめです。

【国税庁の確定申告作成コーナー】
https://www.keisan.nta.go.jp/kyoutu/ky/sm/top#bsctrl

提出方法が3つほどありますのでご紹介しておきます。

郵送で申告する

 確定申告に必要な書類を最寄りの税務署宛に郵送します。これが一番楽でおすすめです。

務署へ直接書類を持ち込んで申告する

 確定申告時期の税務署は混雑していますし、混雑時に持ち込んでも書類をしっかり確認してもらえるわけではないので、ご注意ください。

電子申告を利用する

 国税庁の上記Webサイトの確定申告作成コーナーで作成した申告書や添付書類を送信できますが、カードリーダー等の機器類が必要になります。

必要書類

  • 確定申告A、もしくはB(国税庁のサイトで作成可能)
  • 住宅借入金等特別控除額の計算明細書(国税庁のサイトで作成可能)
  • 金融機関等からの借入金銭残高証明書
  • 住民票
  • 建物・土地の登記簿事項証明書
  • 建物・土地の不動産売買契約書のコピー
  • 源泉徴収票

以下は必要な場合のみの書類

  • 長期優良住宅建築等計画の認定通知書のコピー
  • 低炭素建築物新築等計画認定書のコピー
  • 築20年以上の中古物件→住宅性能評価書のコピーもしくは耐火基準適合書
  • 住宅用家屋証明書のコピー
  • リフォーム、増改築等工事証明書

自営業の方は住宅ローン控除の期間は毎年年末に確定申告をしなければなりません。

一方、会社員の方は、一年目に確定申告をすれば、それ以降確定申告をする必要がなくなります。勤めている会社の年末調整で 申告できるようになります。

年末調整に必要な書類

  • 住宅取得資金に係る借入金の年末残高証明書
  • 給与所得者の(特定増改築など)住宅借入金等特別控除申告書

まとめと注意点

住宅ローン控除について、基本的な事からご紹介しましたが、お役に立てましたでしょうか。

注意点としては、国の政策になるので、控除期間や控除額が変わってしまいます。
令和元年10月~令和3年11月までは、控除期間が10年から13年と3年延長になりましたが、原則は10年間となりますので、 令和3年12月以降は10年に戻ってしまう可能性があります。

注文住宅の場合は2021年9月30日までに建築請負契約を結ぶこと、分譲住宅や中古住宅を購入する場合は2021年11月30日までに売買契約を結ぶことが要件です。
さらにどちらも2022年12月31日までに入居しなくてはなりません。

低金利が続き、多くの人が支払い金利より減税額が多い今の状況は見直しが必要という議論が始まっていますので、この先も同じようなメリットを享受できるかは不透明です。

物件購入をご検討の方は是非、住宅ローン控除が優遇されている期間に購入してみてはいかがでしょうか。

注目記事

オススメ記事

特集記事