
住宅購入の一連の流れ~購入の申し込みから決済(引き渡しまで)~
住宅を購入しようか検討しているのだけど、住宅購入の一連の流れがわからないから順調に進まない。
住宅購入初めてだから不安や心配でなかなか一歩を踏み出せない。
とりあえず、住宅購入の手順を最後まで頭に入れておきたい。
このように考えている方も少なくはありません。初めて住宅購入される方は、何をしたらいいか分からなくて当然です。
今日は、そんな方でもこの記事を読めば住宅購入の流れを最初から最後まで理解し、満足できる!後悔のない住宅探し、スムーズな住宅購入ができるようになる”マニュアル”です。

自己分析、物件の情報収集
住宅購入において、まず最初に行うべきなのが、自分がどのような住宅に住みたいのか、自分達にはどんな家が必要なのか、という自己分析です。
注文住宅か分譲住宅(建売住宅)、それともマンションか、駐車場スペースは何台必要なのか、駐輪台数は・・・等の家族構成を想定した物件。
さらに、現時点での家族構成だけでなく、将来的な家族構成も考慮する必要があります。
分譲マンションを売却して一戸建てを購入したいというお客様がおりますが、理由はほぼ”家族が増えて手狭になった”です。子供が生まれた、親と同居する事になった等です。
まずは人生設計を見直し、そこから住宅に必要な条件を導きましょう。
物件の情報収集はその条件が定まってからにした方が、無駄な時間を省く事にも繋がりますし、万が一物件選びに失敗すると、買い替えという労力が発生する事になります。
ちょうど良い機会だと思って、ご家族で将来の人生設計を想定してみましょう。
物件見学
情報収集すると気になる物件が出てくると思います。気になる物件を実際に見てみたい!となれば担当の不動産会社に問い合わせて案内してもらいましょう。
複数の物件をすでにピックアップできているのならば、問い合わせた不動産会社に他の物件も紹介できるかを相談して一緒に紹介してもらうと手間が省けます。
ホームぺージで見るのと実際に見るのではイメージが全く変わった、なんてこともあるので、気になる物件は一度見学してみてください。
ただし、あまり多くの物件を見過ぎると、情報を浴びすぎて、自分達が一体何を求めて家を見学しているのか、名色に迷い込む事になります。
そんな時は前述した、人生設計に照らし合わせて自分達の条件やこだわりポイントを明確にしていきましょう。自分達の条件を明確にし、その条件に優先順位をつけていけば、不思議と物件が絞られてくるはずです。
物件は数多く存在するように見えて、実は自分達に合った物件というのは少ないものです。それが理解できれば物件選びはそれほど難しくありません。
購入申し込み
色々探しまわったけどこれ以上の物件はない!この家が欲しい!と思える物件に出会えたら、いよいよ購入申し込みです。
購入申込は、この家が欲しい!という意思表示と交渉をするための手続きです。
売主に購入申込をする場合は「購入申込書」、仲介業者に依頼する場合は「買付証明書」という書面を書くのが一般的です。
購入申込書は、売主または代理業者に対して出す書面で、クーリングオフの対象です。(売主または代理業者の事務所等で申し込みした場合等は適用外です)
買付証明書というのは仲介業者に対して出す書面でクーリングオフは対象外です。
とは言うものの、実務的には売買契約を締結するまでは、上記申し込みはキャンセルする事ができます。この際にキャンセルしたからと言って一般的には違約金等の支払いはありません。
では、なぜそんな申し込みが必要なのか、という事ですが、不動産の場合、契約の前に重要事項説明という手続きが法で義務付けられております。この重要事項説明が物件によって異なってくる事、買主側もローンが通るかどうか不明、という事で、多少の書類準備期間等が必要です。
その準備期間の間、他の人から申し込みが入ったとしても、申込人を優先して契約しますね、というのが商習慣になっています。
値引きの交渉はこのタイミングで行います
交渉が成立するかどうかは別として、値引きしてほしい場合はこのタイミングでの交渉となります。ここで買うと言ったのに、後から値引きしろって言うのは無理筋なので、何か条件を付けたいならここで話をしましょう。
この購入申込の際、売主によって申込証拠金として数万~10万円必要な場合がありますので、ここは物件によってご確認ください。
また、売主によってはローンの事前審査が通るまで申し込みを受理しない、という事もありますのでご注意ください。
この段階で一般的に必要になる持ち物は下記の通り
- 運転免許証
- ご印鑑
- 源泉徴収票(収入を証明できる物)
住宅ローン事前審査
購入申込書と同時に住宅ローン事前審査をするケースが多いです。
それまでに別の物件で事前審査を通した事がある方でも、物件が変わると事前審査からやり直し、という金融機関が多いので、面倒ですが、合わせて事前審査を提出しましょう。
住宅ローン事前審査とは、住宅ローンに正式に申し込む前に申込者の返済能力など判断する審査です。
この時点ではどこの銀行でローンを借りるかは決定していなくて大丈夫です。いくつかの銀行に審査を出して、一番条件が良いところに決めればOKです。
実際にいくら借りられるのか、それぞれの金融機関によって事前審査が行われます。
もし、事前審査に通らなかった場合は、残念ながら契約には進めません。
- 運転免許証のコピー(表・裏)
- 健康保険証のコピー(表・裏)
- 源泉徴収票(所得証明書)
- 自営業、会社役員の場合は確定申告書・会社の決算書が必要
- 印鑑
- 既存借入がある場合はその明細
審査結果はおおよそ1~7営業日で出ます。
不動産売買契約・重要事項説明
無事に事前審査も通過すれば、いよいよ契約です。
契約日当日は売主、不動産会社から重要事項説明書や契約書の内容の説明がありますので、ちゃんと理解ししっかり把握しておきましょう。
〇当日の流れ
・売買契約書、重要事項説明書、媒介契約書等への署名・押印
・建物表題登記書類への 署名・押印 (新築の場合)
・手付金授受
(2~3時間)
~必要な持ち物~
・手付金
・収入印紙(売買価格によるが1万円が多い)
・ご実印
・身分証明書(運転免許証等)
住宅ローン本申込
売買契約後、いよいよどの銀行から住宅ローンを借りるかを決定し、本申込(正式申込)を行います。(審査機関は1週間~10日間)
本申込をする際は、直接担当の銀行の方と手続きする事になります。
銀行の方から融資額や金利、プラン等の説明がありますのでしっかり理解し認識との相違がないか確認しましょう。
借入金融機関での口座が無い方は、口座開設が必要です。
~必要な持ち物~
- 運転免許証
- 健康保険証
- 源泉徴収票
- 所得証明書
- 住民票(世帯全員記載・続柄記載・本籍省略・マイナンバー省略)
- 印鑑証明書
- 実印
- 銀行印
- 売買契約書
- 重要事項説明書(添付書類含む)
- 手付金の領収書
- その他、銀行から提出を求められた物
1週間~10日後に銀行の担当又は不動産会社から本承認の連絡が来ます。
この際に、銀行との契約【金銭消費貸借契約】の日時を設定しましょう。
金銭消費貸借契約(ローン契約)
難しい字ですが、金銭消費貸借契約(きんせんしょうひたいしゃくけいやく)と読みます。ローン契約という呼び名が一般的かもしれません。
ちょっと面倒なんですが、印鑑証明書通りに書いてください、と大量の書類を書かされます・・・
~必要な持ち物(銀行により異なります)~
- 運転免許証
- 健康保険証
- 新住所の住民票
- 新住所の印鑑証明書
- 実印
- 銀行印
- 通帳
- その他、銀行から提出を求められた物
引き渡し、決済
とうとう住宅購入の旅はゴールを迎えます。これでヤキモキする日常からワクワクする新しい日常に移るわけです。
最後に行われるのがお引渡し(決済と呼ばれています)です。
引渡し(決済)とは、契約した物件が名実ともにあなたの所有物になる日です。
決済当日は、一般的には、契約者様、売主様、仲介業者、司法書士がローンを組む銀行で立ち会って行われます。
※ハウスメーカーによっては事前に全て手続きを終わらせておいて、決済日が来ると自動的に手続きが進められるというケースもあります
〇当日の流れ
・司法書士による本人確認、登記の説明を受けます。
・物件の残代金、仲介手数料、登記費用等を支払います。
・売主、仲介業者からのアフターサービス等の説明を受けます。
・鍵をはじめとした物件書類を受け取ります。
~必要な持ち物~
・通帳(借入銀行のもの)
・銀行印
・実印
・キャッシュカード(本人確認に必要な場合があります)
・免許証
まとめ
最後までご覧いただきましてありがとうございました。
不動産の契約は人生で何度も経験するものではありません。
今回が初めて、という方が多い住宅購入ですが、全体の流れを把握しておくことで、焦らずに住宅購入までの道を進めるのではないでしょうか。
この記事があなたの住宅購入のお役に立てる事を願っています。