
“団体信用生命保険”とは? 各商品の違いとは?
“団体信用生命保険”
住宅ローンを組んでいる方なら聞いたことはあるですが、今から住宅を購入される方には是非覚えておいてほしい知識です。
“団体信用生命保険”とは?
マイホームを購入するとき、ほとんどの方が住宅ローンを借りると思います。その際に住宅ローンの借り入れの条件として加入することが多いのが団体信用生命保険です。
団体信用生命保険とは名前の通り生命保険です。
生命保険はご存知だと思いますが、団体信用生命保険は住宅ローンの返済中に万が一の事があった場合に保険金により残りの住宅ローンが弁済される保証制度です。ローン契約者に万が一の事態が発生しても契約者の家族が経済的に困窮することないようにするための生命保険です。
冒頭で説明した通り一種の生命保険ですので、誰でも団体信用生命保険に加入する事はできず、加入するには健康診査を受ける必要があります。
加入の条件としてありのままの健康状態を告知する必要があります。なので健康状態、告知内容によっては団体信用生命保険の加入を断れる場合もあります。
“団体信用生命保険”に必要な告知内容の例
●最近3ヶ月以内に医師の治療(指示・指導を含む)や投薬を受けましたか。
●手・足の欠損または機能に障害がありますか。または、背骨・視力・聴力・言語・租借機能に障害がありますか。
●過去3年以内に、下記の病気で手術を受けたこと、または2週間以上に渡り医師の治療や投薬を受けましたか。
〇過去3年以内に治療を受けていたら申告する必要がある病気
~心臓~
狭心症、心筋梗塞、心臓弁膜症、先天性心臓病、心筋症、高血圧症、不整脈、その他心臓病
~脳~
脳卒中、脳動脈硬化症、その他脳の病気
~精神疾患・認知症~
精神病、うつ病、神経症、てんかん、自立神経失調症、アルコール依存症、薬物依存症、知的障害、認知症
~胃腸~
胃潰瘍、十二指腸潰瘍、潰瘍性大腸炎、すい臓炎、クローン病
~肝臓~
肝炎、肝硬変、肝機能障害
~腎臓~
腎炎、ネフローゼ、腎不全
~眼疾患~
緑内障、網膜の病気、角膜の病気
~がん~
がん、肉腫、白血病、膿瘍、ポリープ

団体信用生命保険と言っても様々な商品がございます。
通常の”団体信用生命保険”(一般団信)
通常の団信(一般団信)は、死亡または高度障害(通常の生活ができない)状態になりローンの返済が難しい状況に陥った場合弁済される制度です。
“団体信用生命保険”~高度障害状態の基準~
1.両目の視力を全く永久に失たったもの
・矯正視力が0.02以下になり回復の見込みがない状態である。
2.言語またはそしゃくの機能を全く永久に失った状態
・言語機能を失うとは、喋れなくなるという事で口唇音、歯舌音、口蓋音、喉頭音の4種類のうち3種類以上の発音が不能で回復の見込みがない場合。脳言語中枢の損傷による失語症で回復の見込みがない場合、声帯全部の摘出により発音が不能の場合のことである。
そしゃくの機能を失うとは流動食(液体またはおも湯)以外の者を摂取できないことである。
3.中枢神経系または精神に著しい障害を残し、終身常に介護を要する状態
・脳や脊椎の障害などで、ずっと介護が必要な状態であること。「常に介護を要する」とは、食事や排泄、着替え、歩行、入浴などで自分では何もできず、ほぼ寝たきりの状態を指す。
4.胸腹部臓器に著しい障害を残し、終身常に介護を要する状態
・肺や心臓、消火器などの臓器の障害で、ずっと介護が必要な状態であること。「常に介護を要する」は3と同じ。
5.両上肢とも、手関節以上で失ったかまたはその用は全く永久に失った状態
・両腕とも手首以上で切断しているか、両腕が全く動かず機能しない状態のことである。
6.両下肢とも、足関節以上で失ったかまたはその用は全く永久に失った状態
・両脚とも足首以上で切断しているか、両足が全く動かず機能しない状態のことである。
7.1上肢とも、足関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失った状態
・両脚とも足首以上で切断しているか、両足が全く動かせず機能しない状態のことである。
8.1上肢の用を全く永久に失い、かつ、1下肢を足首以上で失った状態
・片脚を足首以上で切断し、片腕を手首以上で切断するか、全く動かせない状態のことである
以上のように、高度障害とは視力や言語機能を失ったり、寝たきりになったり、手足が2本以上が切断や麻痺等で動かせないという、相当に重い障害状態を指す。この基準は労災や障害年金などの等級、公的介護の保険の要介護認定とは異なる保険会社独自の基準である。したがって、障害等級の認定があるからといって、高度障害保険金が支払われるとは限らないということは理解しておきたい。
ワイド団信
ワイド団信とは従来(一般団信)の団信よりも引受条件が緩和された団信の事です。
健康上の理由でこれまで団信に加入できなかった方でも加入頂ける場合があります。
保証内容は通常の団体信用生命保険と変わらず同じ保証が受けられます。
ワイド団信を利用された場合、金融機関によって異なりますが0.2%(年利)ほど金利に上乗せとなります。
~ご加入ができる疾病の一例~
・糖尿病
・高血圧症
・潰瘍性大腸炎
・脂質異常症
・高尿酸血症
・痛風
ワイド団信は必ず審査に通る団信ではなくあくまで、審査基準が緩めの団体信用生命保険となりますので注意は必要になります。
がん団信
がん団体信用生命保険は、医師によって所定のがんと診断されたときに保険金が支払われる特約です。
住宅ローンで非常に良い条件の方ですと金利上乗せなしでがん団信がセットになる事もございます。
今は日本人の2人に1人ががんにかかると言われていますのでこちらの団信に加入されていると非常に安心です。
3大疾病団信
通常の団体信用生命保険の保証内容は死亡・高度障害状態のみになりますが、三大疾患団信ですと『がん』『急性心筋梗塞』『脳卒中』と医師から診断された場合、住宅ローン残高は0円になります。
8大疾病団信
先程ご紹介した3大疾病団信に加えて『高血圧病』、『糖尿病』、『慢性腎不全』、『肝硬変』、『慢性すい炎』の5大疾病が保証内容になります。
8大疾病団信に追加された5大疾病には保証が2段階に分かれています。
金融機関によって異なりますが、医師の判断に基づき保険会社がいかなる業務が行えないと状態と判断された場合、最長12か月ローン返済額と同額の保険金が支払われます。
~まとめ~
団体信用生命保険ではさまざまな保険と同様に、補償内容が増えるにつれて月々のローンの返済と共に支払う保険金の金額は増えますが、より手厚いサポートを受けられるようになります。
団体信用生命保険は、万が一の事故や病気の際には医療費の負担などで悩みが出てきます。
住宅ローン契約時に団体信用生命保険に加入していれば、万が一の事態が起きてローンを返済するのが難しくなってしまったとしても、ローンは肩代わりしてくれます。
